コラム
デザイン 2024/09/30
ステイションではホームページ制作のほかにチラシ作成・パンフレット作成・名刺作成などグラフィックのお仕事も承っております。
グラフィック制作において注意しなければいけないことはたくさんありますが、今回はその中でもグラフィック制作でよく使われる画像ファイル形式「EPS」についてお話ししたいと思います。
世の中には画像のファイル形式はいくつもあります。JPEGやPNGなどみなさんが耳にしたことがあるものも多いと思います。
その画像ファイル形式のひとつであるEPS(Encapsulated PostScript)とは、Adobe社が開発した画像のファイル形式で、主にグラフィックデザインや印刷業界で使用されるベクター形式の画像ファイルです。
EPSファイルは、ウェブブラウザやデジタルメディアでの使用には適していないので、EPSを直接ウェブに使用することはできません。ウェブ用には通常、SVGやPNG、JPEGといった形式に変換する必要があります。
EPSは1980年代に開発された歴史あるフォーマットで、長年印刷業界の標準的なファイル形式として使われてきました。高解像度での印刷に最適化されていることから業界内での信頼性が非常に高いです。
しかし、EPSが登場した1980年代以降、技術は飛躍的に進歩し、PDFやSVGなど、より機能豊富で柔軟な形式が普及し、EPSの使用は徐々に減少しています。EPSはその歴史の長さゆえの課題もいくつか存在しているのです。
EPSの最大の特徴は、ベクター形式であることです。これにより、画像をどれだけ拡大しても画質が劣化することがなく、鮮明な表示が保たれます。特にロゴやアイコン、イラストなどで広く使用されています。
EPSファイルは、ベクター画像をメインとし、必要に応じてビットマップ画像も含めることができるハイブリッド形式です。このため、ファイル内にプレビュー用の低解像度画像が保存されることがあり、作業時に軽量化される一方、印刷時にはベクター情報を使用して高解像度で再現されるという利便性があります。
ベクター画像とビットマップ画像の違い
ビットマップ画像…小さな点(ピクセル)の集まりでできており、写真など細かい色の表現が得意だが、拡大すると画質が悪くなる。
★JPEG、PNG、GIFなど
ベクター画像…パスで構成され、拡大しても劣化しないので、ロゴやデザインに向いているが、写真のような複雑な色表現には不向き。
★SVG、AI、EPSなど
上記のようにEPSファイルの使用には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
・編集には専用のソフトが必要になる
・ファイルサイズが大きくなる場合がある
・Adobe社以外のソフトでもEPSファイルを開くことはできるが、一部のソフトウェアでは正確に読み込めない場合がある
以上が主なデメリットです。EPSファイルデータに限ったことではありませんが、メリット・デメリットを考慮しつつ、最適なファイル形式を選ぶ必要があります。
実際にEPSを使ったデザイン制作では、クライアント様からJPEGなどの一般的なファイル形式でいただいた画像をステイションでEPS形式に変換して使用することが多いです。
ステイションではEPS画像を使い、商品カタログを作成するお仕事もさせていただいております。
ホームページのお困りごとだけではなく、チラシやパンフレット、名刺等の印刷媒体のお困りごとも承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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